【分かりやすく解説】市場で競争力を付ける為のフレームワーク
こんにちは、なおやです。
今日は、Courseraというプラットフォームで、あのイーロン・マスクやウォーレンバフェットの母校でもあるペンシルバニア大学ウォートン校の授業を受けました。
そこで得た学びの中で特に重要な考え方が、下記のツイートです。
【今日学んだ】消費者は、主に3つの側面から製品を見る
1. 製品の値段や信頼性などのオペレーション的要因
2. 製品の機能性やデザイン
3. 自分のニーズを満たしているか消費者は、この3つの側面から自分にとって一番重要な側面を選び、その側面内でのトップの製品を手にする。
— Naoya (@kaigaiblog63) October 1, 2022
今回は、これを掘り下げて解説していきます。
この記事の信憑性
この記事は、Courseの授業を受けて、学び、理解したことを基に、僕なりの言葉と解釈で分かりやすく解説しています。まあ簡単にいうと、僕が学んだことのアウトプットノートです。※ 注意:僕はまだ日々学習に励んでいる段階です。解説していることに間違いがある可能性も否定できません。何か間違いを見つけて下さった方は、このWebサイトの向上のと僕の学習の為に、教えてください🙏
» Courseraという素晴らしいプラットフォームはこちら (授業は全て英語です)
【分かりやすく解説】市場で競争力を付ける為のフレームワーク
今回ご紹介するフレームワークは市場で競争力を付ける上で非常に強力となる戦略的ツールです。
ですが、これを上手に使いこなす為には、2つの原理をちゃんと理解しておく必要があります。
そこでまずは、2つの原理について解説します。
市場を知る (Know your Markets)

- 消費者のニーズを理解する
- 競争相手の動向を把握する
マーケットを知るとは、主にこの2つを行うことです。
現在、競争相手の増加とグローバル化に伴い、多くのビジネスでは買い手市場 (Buyer’s Market) となっており、競争を生き残るにはカスタマー重視のマーケティング (Customer Focused Marketing) を行うことが必須です。
故に、今回紹介するフレームワークを上手に使いこなすには、消費者のニーズをちゃんと理解しておく必要があります。
また、競争相手の製品との差別化 (Differentiation) を行う為、競争相手の動向も把握しておかなければいけません。
つまり、カスタマーバリュー (Customer Value) を消費者にきちんと提供する為の唯一の方法が「市場を知る」ことです。
でも1つだけ注意点があります。
何かというと、推測だけするのはNGです。ちゃんと市場調査 (Market Research) を行って、マーケットをきちんと理解することがフレームワークを上手に利用する上で重要になります。
最終決定権はお客さんが持つ (Customers have the final say)
市場は、沢山の種類の製品で溢れています。例えば、歯磨き粉を選ぶのでさえ種類が多すぎて一苦労です。
では、消費者はどうのように製品を選んでいるのでしょうか?
- オペレーション的要因 (Operations Factors):製品の値段、サービス、信頼性など
- 製品の機能性とデザイン性(Product Features or Design)
- 自分のニーズを満たしているか (Whether or not It meets my needs)
消費者は、全ての製品をこれら3つの側面から判断していると言われています。
そして、その時に消費者が行うプロセスはこんな感じ
- それぞれの製品に対して、先ほどの3つの側面からスコアをつける
- それら3つで一番自分にとって重要な側面が何かを選ぶ
- 1番自分にとって重要な側面のスコアが一番高くて、他の2つの側面でもまあまあ良い製品を選ぶ
つまり、売り手は自社製品を売るにはどうすれば良いのでしょうか?
まず、3つの側面でバランス良く優れている製品を作っても売れません。なぜなら、消費者は自分にとって一番大事な側面が最も優れている製品を選ぶからです。(もちろん、他の2つの側面もある程度は優れている必要はあります。)
つまり、1つの側面がベストではない限り、消費者が手にする確率はかなり低くなります。
よって、自分の製品を売るには、他の側面がまあまあでも、どれか1つの側面でトップになる必要があります。
これをマーケティング戦略 (Marketing Strategy) とし、実際に実行すると、ビジネスの方向性やリソースの割き方、雇うべき人材のタイプなどが見えてきます。
そして最終的には、総合的な価値と品質に加えて、その側面での顧客の満足度を保証することができ、ビジネスをいい方向に向かわせることが出来ます。
フェアバリュー (Fair Value)
先ほど解説した原理に加えて、1つだけ重要なコンセプトがあります。
それが、フェアバリューです。
バリューマップ (Value Map)
このマップは、縦軸が「相対的なコスト(価格)」で、横軸が「相対的なメリット(価値)」を表しています。
つまり、このマップはこんなことを示しています。
- 相対的に価値がある製品→消費者は喜んで高い料金を払う
- 相対的に価格が安い製品→消費者は相対的に価値が低い製品だと予測する
- 相対的に価格が高い製品→相対的に価値が低ければ消費者は買わない
そして、この相対的な価値と相対的な価格が共にフェアな点をフェアバリューと言います。つまり、売り手と買い手が満足して取引できる点のことです。
また、フェアバリューの点は相対的なもので成り立っているので、時間と共に変動します。
分かりやすく極端に言うと、iPhone14が最新のとき、iPhone13の価格は前よりも安くなるのと同じです。
フレームワーク (framework)
引用:Coursera
市場で競争力を付ける為のフレームワークには、3つの軸があります。
- オペレーショナル・エクセレンス (Operational Excellence):運用効率の優位性
- パフォーマンス・スペリオリティー (Performance Superiority):製品のデザインやスタイルなどの優位性
- カスタマー・インティマシー (Customer Intimacy):顧客と企業の親密性 (顧客のニーズを満たす)
これら3つの軸と先ほど紹介したフェアバリューを用いて戦略を立てていきます。
戦略を立てる順序
この3つの軸を使ってマーケティング戦略を立てる方法を簡単にまとめるとこんな感じです。1つずつステップ順に解説します。
1. 何が3つの軸に当てはまるかを考え、それぞれの軸を定義する
まずはその市場の中で、オペレーショナル・エクセレンスに当てはまるのは何があるのかを考え(例えば、ファーストフードなら待ち時間が少ないとか)、その市場でのオペレーショナル・エクセレンスはどんなものなのかを定義します。
なぜならこれをすることで、その市場でのオペレーショナル・エクセレンスが何なのかを理解することが出来るからです。
そして、これを「パフォーマンス・スペリオリティー」と「カスタマー・インティマシー 」でも行います。
2. それぞれの軸でのフェアバリューの位置を予測
次に、それぞれの軸での「フェアバリューの位置」を予測します。これは結構難しいと思います。
フェアバリューを考えるプロセスはこんな感じ
- その軸に当てはまるそれぞれの特徴がこれくらいだったら、軸全体での相対的な価値はこれくらいだろう
- それぞれの相対的な価値に対する相対的な価格はこれくらいだろう
- フェアバリューは大体これくらいだな
ちなみに、市場全体の平均がフェアバリューとも限りません。市場の中で、どこもフェアバリューを提供していない場合さえあります。
例えば、航空ビジネスを例にとると、人々はいつも時間通りの運行(オペレーショナル・エクセレンスの1つ)を期待していますが、それをいつも提供できている航空会社は少ないです。この場合、人々の期待を下回っているので、多くの会社はフェアバリューを下回っていると言えます。
逆に成熟しきった市場などでは、多くの会社がフェアバリュー以上のものを提供している場合もあります。ほとんどの人々は、必要最低限くらいしか望んでないのに、それ以上を提供しているみたいな。なので難しい場合は、市場調査などもする必要があります。
3. 自社と競合他社の立ち位置を考える
最後に、自社と競合他社がそれぞれの軸で、フェアバリューより上にいるのか下にいるのかを確認します。
これを終えると、ついにマーケティング戦略を始められます。
つまり、長期戦略 (Long-term Strategy) と短期戦略 (Short-term Strategy)を決めて、そこから今すべきことを考えます。
長期戦略 (Long-term Strategy)
3つの軸の内、その会社の長所となる軸を一つ決め、その軸ではフェアバリュー以上のもの、もっというと、その軸内でのトップを目指す。そして、他の2つの軸では、フェアバリュー程度を提供できるようにする。
短期戦略 (Short-term Strategy)
例えば、パフォーマンス・スペリオリティーでトップになることが長期戦略だけど、カスタマー・インティマシーでフェアバリューに届いてなかったら、まずは、カスタマー・インティマシーでフェアバリューに届かせるのが短期戦略とするみたいな。
見えてくるすべきこと
一度、どの軸でトップを目指すかを決めるとそれ以降に取るべき行動が見えてきます。例えば、カスタマー・インティマシーでトップを目指すなら、市場調査を積極的に行って顧客をより理解し、お客さん第一主義を実行するみたいな感じ。
以上です!