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【簡単】売り手市場と買い手市場について分かりやすく解説しました

Marketing

こんにちは、なおやです。

今日は、Courseraというプラットフォームで、あのイーロン・マスクやウォーレンバフェットの母校でもあるペンシルバニア大学ウォートン校の授業を受けました。

そこで得た学びが、下記のツイートです。

今回は、これを掘り下げて解説していきます。

この記事の信憑性

この記事は、Courseの授業を受けて、学び、理解したことを基に、僕なりの言葉と解釈で分かりやすく解説しています。まあ簡単にいうと、僕が学んだことのアウトプットノートです。
» Courseraという素晴らしいプラットフォームはこちら (授業は全て英語です)

【簡単】売り手市場と買い手市場について分かりやすく解説しました

【簡単】売り手市場と買い手市場について分かりやすく解説しました
まず初めに、マーケティングとは何かご存じですか?マーケティングとは、市場(マーケット)を研究することです。

では、市場とは何でしょうか?

市場 (Market) とは?

市場 (Market) とは?
市場とは、2者の間で行われる取引のことを言います。多くの場合、これは「売り手と買い手の間の取引」で行われますが、必ずしも「金銭のやり取り」が必要というわけではありません。

要は、「そこに取引が存在する」限り、それは市場と呼ばれます。

市場は、日々変化しています。

例えば、「売り手」と「買い手」の間で行われる市場は、売り手と買い手のそれぞれの数によって「売り手市場」になったり、「買い手市場」になったりします。

※ 補足:基本的に、完全に「売り手市場」になったり「買い手市場」になったりはしません。現実は、その2つの間のどこかにあります。

そこで、今回は「売り手市場」と「買い手市場」についてを解説します。

売り手市場 (Seller’s Market) とは?

売り手市場 (Seller’s Market) とは?
売り手市場とは、「売り手」よりも「買い手」の方が多い市場のことを言います。

もし「買い手」が製品を欲したら、その製品を保持している「あなたの所」に買いにきます。

正直、あなたからしたら「買い手は沢山いる」ので、最悪そのお客さんが買わなくても困りません。でも、買い手はそれを買えないと困ってしまいます。

だから、基本的に「売り手」が力を持っています。

売り手市場の「マーケティング」はこんな感じ

マーケティングの傾向 製品重視 (Product Focused Marketing)
売り手に提供するもの 一般受けの良い製品
ビジネス目標 (Business Objective) なるべく多く製品を売って利益を得る
収益 (Revenue) の増やし方 経験に基づいてベストな製品を作る (Inside-out)
利益性 (Profitability) の増やし方 市場占有率 (Market Share) を広げる

買い手が沢山いるので、売り手からしたら「なるべく大衆から好まれる製品」を店頭に置いておけば収益が上がります。

故に、この場合のマーケティングとしては「製品重視」になります。売り手の経験に基づき「より良い製品」を作って「コストを削減」することで、利益が生まれやすくなるからです。

また市場占有率を大きくする程、利益性が高まります。なぜなら、収益が増え、大量生産が出来る様になることで「製品コスト」が抑えられるからです。

これを式にするとこんな感じ

収益が増える+製品コストが抑えられる=より大きな利益

買い手市場 (Buyer’s Market) とは?

買い手市場 (Buyer’s Market) とは?

買い手市場とは、「買い手」よりも「売り手」の方が多い市場のことを言います。

この場合、沢山の商品が市場に出回っており、売り手の競争が激しいため、買い手は選択肢が沢山あります。

だから、基本的に「買い手」が力を持っています。

買い手市場の「マーケティング」はこんな感じ

マーケティングの傾向 カスタマー重視 (Customer Focused Marketing)
売り手に提供するもの 買い手が本当に欲しい製品
ビジネス目標 (Business Objective) ターゲットを絞って、彼らが望むものを正確に提供することで利益を得る
収益 (Revenue) の増やし方 買い手のニーズを考えて、それを提供する (Outside-in)
利益性 (Profitability) の増やし方 より多くの顧客データとそれを使いこなすノウハウを保持する

売り手が沢山いるので、まずは「買い手」に「自分の製品を選んでもらう」必要があります。なので「買い手が欲しいもの」を考えて、それを提供します。

買い手が欲しいものとは何か?

買い手が欲しいものとは何か?
買い手が欲しい物は、それぞれ異なります。故に、まずはターゲットを絞る必要があります。

売り手市場では、「買って買ってー」みたいな感じで、一般受けの良い製品を提供していました。でも買い手市場では、ターゲットの顧客には「買って買ってー」って感じですが、それ以外には、極端にいうと「買わないで」って感じです。

このターゲットを絞ることを、セグメンテーション (Segmentation) といいます。

ターゲットを絞って製品を売る範囲を狭めてしまうなら、どうやって利益を出すんでしょうか?

ここで利益を出す方法には3つあります。

一つずつ解説していきます。

1. プレミアム価格 (Premium Price)

プレミアム価格 (Premium Price) とは?
もし「売り手」が何回も「買い手が本当に欲しい物」を提供し続けてくれたら、「買い手」はプレミアム価格でも、買ってくれます。

なので、利益は売る量ではなく、プレミアム価格からきます。

本当に欲しいものをくれるなら、高くても買うよーって感じです。

ちなみに、僕の場合は「Apple製品」は本当に欲しいので「高いけど」買っちゃいます。

2. ロイヤルティー (Loyalty)

ロイヤルティー (Loyalty)
何回も「買い手が欲しい物」を提供することで、買い手のロイヤルティーを構築していきます。

時間と共に、買い手のロイヤルティーは高まっていき、そこに価値が生まれます。

多くの買い手から、少しずつ利益を得ようとする「市場占有率」とは違い、より絞った市場の中で、1人の買い手から沢山の利益を得ようとする概念のことを「顧客内シェア (Customer share)」または「財布内シェア(Share of Wallet)」といいます。

※ 補足:市場占有率、顧客内シェア、財布内シェアとは、正確にはその概念を測るときに使う方法です。

では、なぜロイヤルティーを構築することが、利益に直結するのでしょうか?

それは、買い手に価値を提供しているからです。

もちろん、買い手のニーズを理解して製品を開発するのには「時間」や「お金」がかかります。でも、一度「ターゲットとなる買い手」にその製品を届けることができたら、それ以降は「特に何もしなくても」買い手はその製品を買ってくれます。

故に、長期で見た時に、研究費や宣伝費などの余分なコストをかけなくても買ってくれる「ロイヤルティーを持った買い手の存在」は、価値があります。(つまり、利益が出やすい)

3. クロスセリング (Cross-Selling)

3. クロスセリング (Cross-Selling)
もし「買い手のニーズ」を理解することができたら、1つの製品のみを販売するのではなく、それに関連する他の製品も組み合わせて売ることができます。

この方法をクロスセリングといいます。

例えば、スタバでドリンクを買ったときに、店員さんから「お食事も一緒にいかがですか?」みたいなことを聞かれたことはありませんか?

あなたのニーズを理解して、一緒に合わせて買うと良さそうなものをおすすめすることで、「財布内シェア(Share of Wallet)」を伸ばすのが「クロスセリング」です。(つまり、利益が増える)

昨今の市場の変化

昨今の市場の変化
昨今の市場は、「買い手」と「売り手」の間の取引だけではなくなりました。世界のグローバル化やインターネット、SNSなどの普及により、1対1の取引ではもうありません。

つまり、買い手同士で、情報交換をすることができます。

もし、売り手が素晴らしいサービスを提供していたら、そのサービスを受けた「買い手による口コミ」で一気に世界中に広まることもあるでしょう。でも、もし少しでも「何か問題」が起きてしまうと、それもすぐに広まってしまいます。

買い手は、その人それぞれが受けた「顧客体験 (Customer Experience)」をSNSなどで伝え合うことができます。よって、売り手の収益を左右するのは、買い手の1人1人が経験した顧客体験となります。

では、顧客体験とは何でしょうか?

顧客体験とは何でしょうか?
ここでいう、顧客体験とは「取引を行う前」から始まり「取引を終えた後」でも続きます。

例えば、あなたがレストランで食事をするとします。もし、食事が美味しくても、そのレストランに行く道が混んでいたり、レストランの駐車場が満員で待たないといけなかったり、食事後の会計に手こずったりしたら、その経験も含めてSNSなどで書き込まれる可能性があります。

これでは、いくら美味しい料理を提供していても、あまり良いイメージは伝わりません。

故に、全ての買い手との取引において、ただ価値を提供するだけでなく、顧客体験を提供する様に細心の注意を払う必要があります。

市場が苦しい時のマーケティング

市場が苦しい時のマーケティング
2008年くらいから起こった世界金融危機により、一時期「製品」が売れない時期がありました。

こういった不景気の時にマーケティングをする時に重要となってくるのは、今まで築いてきた信頼関係です。

この時には、なるべくコストを削減するよう努力しながらも、「常に誠実に」買い手と取引をすることが重要になります。

以上です!